2006年03月18日

Precious Memories / Alan Jackson (#4, 06/3/11)

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Sales: 107,000
2002年の「Drive」の大ヒット以来、1位が定位置という感のあったアラン・ジャクソンだが、今回は10万枚そこそこのセールスで4位と低迷した。まあそれも実は仕方なくて、今回はゴスペル集という企画アルバム。日本にいるとゴスペルってのは黒人が教会で踊りながら歌ってるやつを想像するが、実はカントリー・アーティストが歌うゴスペル集というのもかつてはそんなに珍しいものではなかった。音楽用語ではゴスペルとは一般に黒人霊歌を指すが、gospelという言葉じたいはもっと広い意味をもっており、白人が歌うキリスト賛歌もゴスペルと呼ばれるようだ。
そんなわけで、これはいつもアラン・ジャクソンの作品とは明らかに異なるし、どこか飄々とした彼のキャラも、ここでは至って真面目だ。親しみやすい声、親しみやすいキャラはそのままだが、どこか神妙な感じがして、それはそれで微笑ましい。ピアノ、アコギ、曲によってオルガンが入るだけのごくシンプルな演奏に、教会で歌い継がれてきたシンプルな楽曲。たまーにこういうのを聴くと宗教に関係なく心が洗われたりもするが、やっぱり基本的にはキリスト教徒のためのものだろう。

If Only You Were Lonely / Hawthorne Heights (#3, 06/3/11)

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Sales: 114,000
オハイオ州出身のバンド。インディでアルバムを1枚出しただけだが、ワープト・ツアーへの参加などを経てインディのバンドとしては破格のセールスを記録してきた。今回はニーヨのアルバムと発売がかぶるのがわかると、ニーヨのアルバムの売り上げ妨害と自分たちのアルバムを買うことをファンに呼びかけ、その結果が全米チャート3位という戦果に結びついた。
どちらかというと青臭いと言っていいぐらいのメイン・ボーカルと、叫びまくるサブ・ボーカルという構成はここ数年の流行パターン通り。まあ世間ではスクリーモと呼ぶのだろうが、ギターがうるさくてボーカルがひとり叫んでるティーン・ロックだ。位置づけとしてはテイキング・バック・サンデーやサーズデーの後輩か。その両バンドも全米レベルではまだブレイクしたばかりなので、ちょっとこいつらは成功が早すぎるんではないかという気はする。実際のところまだまだ荒削りなところが目立つ。叫ぶのが役目だからと意味もなくスクリームしてみました的なサブボーカルはウザいし、曲は全体的に暗い。確かに素人として眠らせておくにはもったいないぐらいの才能ではあるが、このジャンルの良質なバンドを一通り聴き尽くした人だけが聴けばいい代物だろう。
posted by しんかい at 18:33| Comment(1) | TrackBack(0) | Rock: パワーポップ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

In My Own Words / Ne-Yo (#1, 06/3/18)

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Sales: 301,000
なんだか若者の音楽の区別がつかないオヤジみたいな発言でいやだが、本当に近頃の若者へのアッシャーの影響力の大きさには恐れ入る。こないだも「アッシャーみたい」を連呼しながらアルバムを紹介したが、このニーヨも、歌い回しも声質も似ている。自分で曲を書けるというのは大きいが、クリスティーナ・ミリアンやアシャンティの例を見ても、「もともと裏方でソングライターとして活躍していた才能に溢れる逸材」が必ずしもシンガーとしても長く成功するとは限らない。
と一通り否定的なことを書いたあとで。70年代ソウルのようなブルージーで重厚なイントロの「Get Down Like That」には素直にシビレた。軽い声質なので「Lovely Day」のイントロっぽい「It Just Ain't Right」みたいに軽めのアッパーな曲だとすごく映える。「Sexy Love」のように、普通ならもっとイヤらしいクワイエット・ストームな音作りにしそうな曲も、クーリーダンス風でズンズンと腹に響く重低音ビートに仕上げてるあたり、普通にレゲエを聴いて育った新世代という感じはする。平均点以上の曲ばかりが並んでいる、高品質な作品ではあるが、華には欠けるか。
posted by しんかい at 18:30| Comment(0) | TrackBack(3) | R&B: メインストリームR&B | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年03月11日

Kidz Bop 9 / Kidz Bop Kids (#2, 06/3/11)

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Sales: 98,000
普通の音楽ファンには不思議な作品だが、このシリーズ、やたらと人気がある。ここ半年ぐらいのヒット曲を、わざわざ素人くさい子供たちがカバー(大人が歌う曲も多いが、サビで子供のコーラスが入る)。ヒット曲を聴きたいなら「NOW」でも聴けばいいのに、なぜかわざわざこういう「素人カバー版」が売れてしまう。これはもうひとえにマーケティングの勝利。小学生か、それ以下ぐらいの子供にターゲットを絞って、「一緒に歌うと楽しい」ことに的を絞っている。聴くための作品ではなく、一緒に歌う、参加する商品だ。従ってCDショップよりはおもちゃ屋で売るべき作品。きっと実際にもそうして売られているのだと思う。ご丁寧に「Axel F」で蛙のパートを歌ったり、「Feel Good Inc」では一応本物っぽいエフェクトをかけたボーカルで頑張ってたり、「Chariot」や「Speed Of Sound」のようなオトナっぽい、いかにも子供コーラスが似合わない曲もあるのだが、まったくお構いなし。違和感があろうがなんだろうがいいのだ、だって歌いたいんだから。
posted by しんかい at 18:24| Comment(1) | TrackBack(0) | Children: 子供向け | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年03月04日

Ghetto Classics / Jaheim (#1, 06/3/4)

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Sales: 152,000
ゴージャスなアルバムだ。ジャヒームの3作目。デビュー当初からテディ・ペンダーグラスと比較されつつも、ちょっと小物感は否めなかったが、ずいぶんと貫禄がついてきた。今ならテディペンと比べても遜色はあるまい(ルックスでは勝負になってないのがイタいが)。
なぜかやけに「Ghetto」とタイトルにつけるのにこだわっているが(1st「Ghetto Love」、2nd「Still Ghetto」)、ラッパーたちが使うゲットーという言葉の響きとは随分違う印象だ。きっと、意識的にやっているのだろう。ゲットーってのは、ラッパーたちが喧伝してるような荒んだ場所ばかりじゃなくて、普通に生活する普通の人たちが大半(で、自分もそういう人間のひとり)なんだということを。だから「ゲットー」というタイトルはあまり気にしないほうがいい。ゴージャスな1曲目あたりを実際に試聴してみるのがいちばん。
テディペンをさらに少し甲高くしたようなボーカルは決して技巧的ではなく、むしろ音全体の雰囲気で聴かせるタイプの人だ。その、音が凄い。完全に自分の世界を確立している。ストリングスや女性コーラスをゴージャスに配した、豊かな音。そこに、ジャヒームのいわば「庶民的」なボーカルが乗るのがいい。豪華な音が厭味でなくなり、かといってアンバランスなわけでもない。この絶妙なバランスは見事だ。
割と似たタイプの曲が多く、何曲もシングルヒットを出すというよりはアルバム全体の雰囲気を楽しむべき作品。

ところで投稿日時点ではこのリンク先のamazon.co.jpでは、このアルバム(アメリカ盤)に2600円などという値段がついている。かつては大手輸入盤ショップを叩く材料としてamazonの価格を参考にさせてもらっていたのに、大手輸入盤ショップより1000円高いとは、実に嘆かわしい。価格改定されることを切望する。じゃないと本当にみんなアメリカから直に買っちゃうぜ(amazon.com価格は12.98ドル)。
posted by しんかい at 10:55| Comment(0) | TrackBack(1) | R&B: メインストリームR&B | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年02月25日

On Top Of Our Game / Dem Franchize Boyz (#5, 06/2/25)

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Sales: 106,000
2004年デビュー、アトランタ出身の4人組ラップグループ。デビュー作はほとんどヒットらしいヒットになっていないが、今回はジャーメイン・デュプリの強力プッシュでシングルもヒットしたせいか、いきなりトップ5ヒットとなった。低音がズーンズーンと腹に響く「I Think They Like Me」とかはいかにもクラブ向けの音作りだが、全体にクランクと呼ぶほどアゲ系なわけでもないし、何よりラップに魅力がない(というか記憶に残らない)のはちょっと。なんか7、8年前のNo Limit物を聴いてるような気分になってくるよ、本当に。そういう意味では、よく言えば、商業主義に染まってないストリート・ラップが聴ける。悪く言えばB級。一流のサウス物を聴き慣れてる人なら苦笑したくなること請け合い。まあ、もともとサウスの魅力ってこういうB級っぽさでもあったわけで、別に全面的に否定する気はさらさらないのだが(個人的には嫌いじゃない)、とても人様にお勧めできる代物ではない。シングルが気に入った人と、すべてのメジャーなサウス物を聴き尽くして、もう他に聴く物がないという人だけ聴いてればOK。
posted by しんかい at 10:51| Comment(1) | TrackBack(0) | Hip Hop: ダーティ・サウス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

Curious George Soundtrack / Jack Johnson and Friends (#1, 06/2/25)

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Sales: 163,000
(Full Title: Sing-A-Longs and Lullabies for the Film Curious George / Jack Johnson and Friends)
ジャック・ジョンソンが全編を手がけた「おさるのジョージ」サントラ。もともと映像方面にも造詣が深く、自ら製作した映画のサントラなんてのも手がけてきている彼だが、こういうメインストリームの作品を手がけるのは初めて。ただ、メインストリームで、かつ(映画は)子供向けの作品とは言え、ここに収められているのはいつもジャック・ジョンソンのリラックスしたフォーク・ポップ。いくつか、子供のコーラスを配して明らかに映画を意識している風の作品もあるし、新録曲ばかりでもないのだが、多くはいつもの彼の作品同様、波打ち際が似合う、やさしく、リラックスした音。ただ、色気がなさすぎて子供には逆に退屈かもしれない。大人が子供みたいな気分になって(なった気になって)ほのぼのと和むにはこの上ないBGMだ。
日本でもすっかり大物だし、イギリスでも今頃になって「In Between Dreams」がアルバムチャートの1位になってたりなんかして、さりげなく全世界を制覇。これほど自然体でこれだけ売れてしまった人って、あまり例がないかもしれない。
posted by しんかい at 10:50| Comment(23) | TrackBack(2) | Folk: シンガーソングライター物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年02月18日

For Me, It's You / Train (#10, 06/2/18)

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Sales: 62,000
う、これはまずい。アルバムでいちばんキャッチーで、キラッと存在が光るのが「If I Can't Change Your Mind」。これがカバーなんだよなあ(シュガー、「Copper Blue」に収録)。オープニングを飾る「All I Ever Wanted」とか「All I Hear」とか、及第点の曲はあるんだけど。トレインの4作目。今聴くとマルーン5とボーカルが似てるなあ、なんて思ったり。どちらかというと骨のあるロックバンドという印象だったのだが「Drops Of Jupiter」みたいな曲がやたらと売れてしまったせいか、ミディアムテンポでストリングスとか使って歌詞も暗めの曲が多い。先行シングル「Cab」もピアノとストリングスをたっぷり使った叙情的なポップスだ。いや、別に、そういうのを求めて聴く分にはそこそこいいアルバムではあるのだが。
どちらかというとフィッシュとかワイドスプレッド・パニックとかの仲間だと見なされていた初期の頃を彷彿とさせる曲がラストに収録されたタイトル曲。彼らはどこへ向かおうとしているのだろう。
posted by しんかい at 00:12| Comment(24) | TrackBack(0) | Rock: メインストリーム・ロック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

In My Mind / Heather Headley (#5, 06/2/18)

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Sales: 95,000
オーガニック・ソウルなんて言葉が使われた時代があったが、ついついそんな表現を使いたくなる。イマドキのR&B系作品で、しっとりとアコギで幕を開ける作品はなかなかないだろう。この手の人は日本でもすぐ人気が出る。
ちょっとスローな曲が多すぎる気はするが、曲調は比較的バラエティに富んでいる。アップテンポの曲ではレゲエになりがちなのは、彼女が中米トリニダード・トバゴ出身だからか。
もともとミュージカル出身でトニー賞も受賞した実績のあるシンガー。R&Bのレコーディング・アーティストとしてはこれが2作目となる。まあその経歴が示す通り、器用貧乏なのだろう。1曲1曲はしっかり作られているし、歌も巧いし、アルバム全体になんとなくこの人らしさが感じられる作品でもあるのだが、いろんな雰囲気の曲がありすぎるせいか、どうもまとまりがなく感じられる。「癒し系」でありつついきなりショーン・ポールを引き連れてラガやられてもねえ。まあきっと制作側が、似たような曲ばっかりに陥ることを避けて意図的にいろんな雰囲気を盛り込んだのだろうが、こういうタイプの人はおんなじような曲ばっかりのアルバムでも許されるんだけどな。
posted by しんかい at 00:12| Comment(2) | TrackBack(1) | R&B: スムース・グルーヴ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

Amore / Andrea Bocelli (#3, 06/2/18)

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Sales: 113,000
アンドレア・ボチェッリはこれまでにも「ポップス作品」をリリースしてきているが、今回はいつも以上にポップス色が強い。イタリアやフランスのポップスのカバーが多いが、英語圏の音楽に馴染んでいる者でもどこかで聴いたことがある曲が多い。しかしイタリア語、スペイン語、フランス語、英語と、普通に4カ国語で歌い分けられているのはちょっと凄い。やっぱりヨーロッパ人は凄いな(と、仕事で、英語ペラペラなフランス人に会ったりした時も思う)。
この人は圧倒的に歌が巧いが、技術的な巧さではない。情緒的な巧さだ。黒人ならばソウル・シンガーと呼ばれるだろう。だから、日頃オペラに何の興味も示せない私でも、ボチェッリは大好きだったりする。そんな彼の持ち味が発揮されるのは、スケールの大きい、広がりのある曲。「Mi Manchi」での伸び伸びとしたボーカルは本当に気持ちいい。うるさくない程度に絡むケニーGのサックスもいい。「Solamente Una Vez」や「Canzoni Stone」あたりもいい。後者ではスティービー・ワンダーがハーモニカ(だけ)で参加して、これまたいい味を出している。「ベサメ・ムーチョ」とか「枯葉」とか、むしろちょっとベタすぎるとも言える選曲が序盤に並ぶのでちょっと不安になるが、それ以外は実に上品で穏やかな雰囲気の曲が並ぶ(実は終盤は序盤以上にベタになってしまうのだが)。
「Somos Novio」ではアギレラがスペイン語曲でのデュエット相手に大抜擢されているが、知らないで聴いてるとアギレラだとは気付かない。流石の彼女もエゴを抑えて、とにかくボチェッリのデュエット相手に資するべく一生懸命歌っているようで、ちょっと微笑ましい。
posted by しんかい at 00:10| Comment(4) | TrackBack(1) | Classic: クロスオーバー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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