2005年12月31日

The Legend Of Johnny Cash (#10, 05/12/31)

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Sales: 154,000
初登場ではなく、チャートイン8週目でトップ10入り。ジョニー・キャッシュのベスト盤なんて別に珍しくもないし最近だけでも何種類か出ているのだが、今回これがヒットしたのはキャッシュの伝記映画「Walk The Line」がヒットしてるのに便乗した形。要は、この時期にベスト盤を出していれば、この選曲じゃなくれも売れただろう、という程度のもの。敢えて本人の歌にあわせた口パクではなく、俳優(ホアキン・フェニックス、ジューン・カーター役としてリース・ウィザースプーン)が実際に歌っている映画のほうも頑張っているので、サントラ「Walk The Line」もお薦め。初心者はまずサントラを聴いて「けっこういいじゃん」と乗りかけ、その後ジョニー・キャッシュの本物バージョンを聴いて、あーやっぱりホンモノはすげえなあ、となるのが理想型。そういう意味では別にこのベスト盤である必然性はないので、他にもいくつか挙げておこう。本作は1枚にコンパクトにまとまってるのがいい点かな。
The Legend : 同じタイトルなのでややこしいが、これは05年の夏に出たボックスセット、100曲以上入っててamazon価格なら6000円台なのでお得度はもっとも高い。これはtoo muchであれば、
The Essential : これは2枚組。同じ2枚組でThe Legendary Johnny Cashってのもあるけど、これはMercury時代限定のものなので安いけどあまりお薦めしない。
posted by しんかい at 09:49| Comment(0) | TrackBack(0) | Country: 親父カントリー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

The Real Thing / Bo Bice (#4, 05/12/31)

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Sales: 227,000
ボ・バイスという名前の響きはなんか妙に違和感があるな。ボ・ディドリー、bo以来のボか。ケリー・クラークソン、キャリー・アンダーウッドとともにアメリカン・アイドル出身者。アメ・アイの中でひとり長髪にベルボトムでサザン・ロックをやってしまうような強烈な勘違い野郎で、オーディションを勝ち進んでいったのも賛否両論だったらしいが。
ジョン・ボンジョヴィ&リッチー・サンボラ(ボンジョヴィ)やチャド・クルーガー(ニッケルバック)が手を貸している、といえばどんな音か想像がつくだろう。ばりばりのサザンロックやってれば少しは好感をもってあげたのに、王道ポップ・ハードロックでした。ま、これでサザンロックやってもケニー・ウェイン・シェパードのB級品と言われるだけか。ややハスキーなボーカルは曲によって色んな人に似てるように聞こえて個性はまったくない。まあ可もなく不可もなく、というレベルであって、別に「不可」というわけではない。(←なんて冷たいレビューだ...)
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2005年12月24日

See You On The Other Side / KoRn (#3, 05/12/24)

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Sales: 220,000
まあだいたいこの手のバンドのピークは3年ぐらいなわけで、彼らだけが例外的にいつまでもスゴい作品を出し続けてくれるんだなどと勝手な期待をしてはいけないのだが、一時期のカリスマ性は凄いものがあっただけに、こういう姿になってしまった彼らを見るのは辛いものがある。
ベスト盤を出して一区切りついて、ギタリストが脱退して、やってる音楽が決して時代の主流の音ではなくなり、彼らにとって厳しい環境の中でリリースされた作品。もうやることはやり尽くしてしまっており、このアルバムには何一つ目新しいところはない。ただ、それにしては頑張ってる、と評価すべき作品でもある。「なんか聴いたことがあるような曲」が並ぶのは事実だが、出来は悪くない。半分以上の曲でマトリックス(アヴリル・ラヴィーンやらヒラリー・ダフやらを手がけてきてる、あのマトリックス)が絡んでるという情報は悪夢のようだが、実は聴いてみて違和感はない。ファンキーな「Liar」では「Life Is Peachy」の頃のあの咆哮まで聴かせてくれる!
普通ならぐっと落ち目になって解散してもおかしくないタイミングだが、22万も売れて3位というのは充分に支持されてると言える数字だし、リンプ・ビズキットの急激な飽きられ方と比べると、KoRnってのは忠実なファンをたくさん持ったバンドなんだなーと思う。それにしてもジャケはキモい。
なお日本盤は「セキュアCD」なるプロテクトがかけられており、MacやiPodで再生できない(公称)のはもちろん、普通のCDプレイヤーでも再生できなかったという報告も中にはあるので要注意。
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The Carter II / Lil' Wayne (#2, 05/12/24)

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Sales: 240,000
リル・ウェインの5作目。キャッシュ・マネーというレーベル自体にはすっかり勢いはなくなっているものの、出せばコンスタントに売れてしまうのはやはり昔から私が評してきた通り、No Limitとは違って品質がしっかりしているからだろう。
子供の頃からとにかく汚い言葉使いまくりで、しかし天才的なライム・センスを見せてきたリル・ウェインは、まるでジャングルの中で発見された、猿のように走り回る野生児のような衝撃を文明人に与えた。こういう天才児は年を取るとだんだん普通になっていってしまうのが常で、リル・ウェインも昔ほどの衝撃的な存在ではなくなっている。しかしダーティ・サウスっぽい粘っこい語り口は今でも個性的で、少し大人になったおかげでスムースR&B風の「Grown Man」みたいな曲ができるようになり、芸風は確実に広がった。以前からのキャッシュ・マネー・ファンにとっては、「マニー・フレッシュがプロデュースしていない」という情報を聞いてしまうと即、聴く価値のない作品に思えてしまうが、実は大人になったリル・ウェインのスタートの一歩として、かなり評価できる内容に仕上がっている。
今までの彼からは想像できないようなシックなジャケも単なるポーズではなく、それなりにちゃんと中身の雰囲気を表現している。大人になったんならもう「Lil」じゃないだろという話もあるが、彼は若いだけじゃなくチビだからそう呼ばれていたわけで、別に大人になったところで改名の必要はない。
決してヒップホップ界での注目度が高まっているとは言えないこの時期になって自己最高位を記録してしまったのは前作から「Go D.J.」が、本作からはやや小粒ながら「Fireman」がヒットしたおかげか。でも「Fireman」よりいい曲がアルバムの半分以上はあるな。
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Curtain Call: The Hits / Eminem (#1, 05/12/24)

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Sales: 441,000
まあベスト盤ということで、特に中身がどうこうではないのだが。
もしこれで噂どおり本当に引退するのなら、スゴいと思う。短い活動期間に一気に出すものを出しまくり、飽きられて捨てられるるギリギリのところまで踏ん張り、ここでスパっと引退できれば、ハタから見てる分には実に美しい幕引きだ。
だいたい彼には、もう表現したいことがないんじゃないか、というのがここ数作を聴いてきての感想だ。母親にしろ娘にしろ奥さんにしろ、もう彼の家庭問題は聴き飽きた。感情をそのまま吐き出し、私生活を暴露し、「リアル」なキャラを売りにしてきているだけに、ネタが尽きるのは早い。また、彼の作る曲は1曲1曲の密度が濃く、ドラマ性もストーリーもアイデアもいっぱい詰めてしまっているだけに、それだけのクオリティの作品を量産するのには限界がある。
ライミングは相変わらず超一流で、失うには惜しい才能だが、ここで引退して「伝説」になっておくのは、彼にとっても正解なのかもしれない。引退って言ったってどうせ我慢できないですぐ復活するよ、とみんなが言ってたジェイZも案外頑張ってるしね。
しかしこのアルバム、ラストが「Stan」のエルトン・ジョンとのグラミーでの共演ライヴバージョンで締められるという構成はいただけない。音源として貴重ではあるのだが、「When I'm Gone」でしんみりと締めた後に、よりによってこんなのを入れなくても。エミネムらしく「The Real Slim Shady」とかで人を馬鹿にした終わり方をするとかして欲しかった。まあタイトルが「Best Of」ではなく、「Hits」だというところがミソか。コミカルさと狂気を漂わせつつ、娘を溺愛し、赤ちゃん言葉を交えてラップするという、彼のクリエイティビティが最高の形で発揮された、「Stan」に並ぶ名曲「'97 Bonnie And Clyde」とか入れて欲しかったなあ。
posted by しんかい at 16:47| Comment(3) | TrackBack(0) | Hip Hop: イーストコースト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年12月17日

Oral Fixation Vol.2 / Shakira (#5, 05/12/17)

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Sales: 128,000
シャキーラは前から大好きだった。ところが、日本も含め世界的にブレイクした「Laundry Service」以降はどうにも好きになれない。別にあまのじゃくでそう言ってるんじゃなくて、明らかに作品の質が下がっている。彼女の作品はアルバムに何曲か印象に残る曲がある、という程度ではなかった。アルバムのすべての曲が印象的なメロディで彩られ、躍動感に満ち、生命というかエネルギーが溢れ出てくるような、すばらしい作品だった。セカンドアルバム「Donde Estan Los Ladrones ?」の再来を待ちわびる身としては、最近の彼女の作品には落胆させられてばかりだ。やっぱりアメリカを中心とする「業界」の連中が入り込んできて、彼ら好みの売れ線の音にさせてしまったのが決定的な敗因だ。そういう文化の中で生まれ、育ってきたケリー・クラークソンならそういう音でも輝くだろうが、シャキーラはまったく違う文化で生まれ、まったく違う種類の輝きを持っているのに。
当たり障りのないアメリカ風のポップ・ロックが並ぶこの作品は、半年前のスペイン語アルバム「Fijacion Oral Vol.1」の続編に位置づけられた英語アルバム。けっこうダウン・トゥ・アースな雰囲気のロック調の曲が続き、彼女を「ダンス」という括りに入れている人が聴けば地味さに戸惑うだろう。それなりに品質の高い曲が並ぶので、なんで私がこんなに悪口を言うのかと不満に思う人もいるかもしれないが、そういう人はぜひセカンドアルバム「Donde Estan〜」を聴いて、シャキーラのソングライターとしての、パフォーマーとしての本当の実力を思い知って欲しい。
posted by しんかい at 16:44| Comment(0) | TrackBack(1) | Pops: ポップ・ロック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

Chris Brown / Chris Brown (#2, 05/12/17)

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少年声のR&B。歌は巧いけど、こりゃアッシャーだなあ。売れ線を狙えば狙うほど、この分野のトップスターであるアッシャーに似てしまうのはしょうがないんだけど、「アッシャーっぽいんだけどアッシャーほどではない」というのはやはり寂しい。デビュー曲にして全米No.1の「Run It!」も「Yeah」の焼き直しぐらいにしか思えないし。
と、プロダクションにはもうひと頑張りして欲しかったところだが、16歳のクリス君は頑張っていて、この安定した歌の巧さはなかなか見事。
うーん。洗濯しながら、これ以上このアルバムをどう評するべきかずっと考えていたのだが、何も思いつかない。そのぐらい普通のアルバムだ。歌の巧い少年が歌う今ドキのR&B。別にそれ以上深いものを求めるつもりはない、というぐらいの軽い気持ちで聴けば、まあOKか。
posted by しんかい at 00:24| Comment(4) | TrackBack(1) | R&B: メインストリームR&B | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年12月10日

The Sound Of Revenge / Chamillionaire (#10, 05/12/10)

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Sales: 130,000
チャミリオネアのメジャーデビュー作が登場。今年はヒューストンのヒップホップが一気にアンダーグラウンドからメジャーへと浮上した年で、マイク・ジョーンズの大ヒットを筆頭にスリム・サグ、ポール・ウォールとヒットが続き、このチャミリオネアの登場と続いた。チャート順位では先行3作に一歩及ばなかったが、内容的にもラッパーの実力的にも、このチャミリオネアが断トツでトップだろう。アンドレ3000(アウトキャスト)が普通にラップしてる時のような声質や、スカーフェイス(ゲットー・ボーイズ)も引き合いに出されるライミングなど、比較したくなる相手がいちいち超一流だ。太々しい悪人面のルックスもいい。パスター・トロイやリル・ウェインといったアクの強いゲストの活かし方も巧い。キャッシュ・マネーがワンパターンになってしまって以降、ダーティ・サウス・ヒップホップは売れるようにはなったが面白いものはなかなか出てこなくなってしまっていたが、これは逸材だ。
なお名前の読み方は「チャミリオネア」か「シャミリオネア」か、はたまた「カミリオネア」か諸説ある(?)が、アルバムの中で何度か彼の名前が呼ばれる発音を元に「チャ」とした。ま、同じアルバムの他の箇所では「カ」だったりするのだが。
posted by しんかい at 18:37| Comment(1) | TrackBack(0) | Hip Hop: ダーティ・サウス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

What The Game's Been Missing ! / Juelz Santana (#9, 05/12/10)

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Sales: 141,000
キャムロン率いるディプロマッツの一員としてデビューしたジュエルズ・サンタナのソロ2作目。なんか人気あるんだよねえ。キャムロンが登場するのは3曲のみで、割とそれ以外のゲストも少なめ。しかしそんなに特徴のあるラッパーでもないし、曲作りにとくに特徴があるわけでもなく、アルバム全体としてはちと苦しい。キャムロンの「Oh Boy」を意識してると思われる「Oh Yes」ではマーヴェレッツの「Please Mr.Postman」を早回しで使ってたり、タイトルからしてイン・ヤン・トゥインズを意識してると思われる(が、トラックの作りが似てるだけ)「There It Go」など、しょーもなさも目立つ。一方、懐古的な内容をセンチメンタルな曲に乗せるスタイルがトゥパックあたりを思わせる「Good Times」とかどっかで聴いたぞ〜と思わせるが、思わず体が動くウキウキするリズムの「Changes」なんかはいい感じ。
posted by しんかい at 16:35| Comment(13) | TrackBack(1) | Hip Hop: イーストコースト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

Amarantine / Enya (#8, 05/12/10)

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Sales: 178,000
日本でも初動10万枚以上でオリコン初登場2位と大ヒット中のエニヤ。通常日本ではエンヤと書くが、エニヤのほうが実際の発音に近い。と昔知人に言われて以来なるべく意識してそう書くようにしているが、実際のところそれが本当に正しいのかどうかは知らない。
この人の場合は聴き手側の期待と、彼女の提供する音楽がぴったり一致し、寡作でかつ一作一作は非常に丁寧に作られて品質が高いだけに、人気が長続きするパターンだ。なんというか「エニヤらしい」としか形容しようのない涅槃のような音が続く。これは音楽の系譜やスタイル云々ではなく、聴き手側の接し方という観点から見れば、ポピュラー音楽の一種というよりはクラシックの仲間と言ったほうがいいだろう。
彼女のアルバムはやたらと長く売れ続けるのでどれもこれも、とくに「Watermark」とか「Shepherd Moon」なんか大ヒットしたような印象があるのだが、実は全米チャートでは今回が前作「A Day Without Rain」に次ぐ好成績。イギリスでもアメリカと同じ8位に初登場したが、これは逆に全英チャートではデビュー作「The Celts」に次いで低い成績だったりする。
posted by しんかい at 13:42| Comment(6) | TrackBack(1) | Ambient: 癒し系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

Hypnotize / System Of A Down (#1, 05/12/10)

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Sales: 320,000
今年2作目のNo.1。前作「Hypnotize」の続編で、デジパックだと物理的にも2枚が合体できるようになっている。そんなわけなので前作とあまり雰囲気が変わらないというか、普通に2枚続けて聴ける。前作を聴いてもっと聴きたいと思った人は本作も聴けば良い、という内容だ。
という建て付けで、いわばこれは2枚組を2回に分けて発売した、前作と本作は対等の作品、ということになってはいるのだが、やっぱり前作のほうがインパクトもあるし、楽曲の出来もいい。正直、前作と本作は対等な関係ではなく、「Toxicity」と「Steal This Album!」の関係に近い気さえする。
と、否定的な書き方ではあるが、現時点では最高のロックバンドであるSOADがつまらない作品を出すはずはない。大マジメなのにどこかファニーな雰囲気の漂うハーモニー・ボーカル、次々に転調するスリリングな曲構成、なんだか妙に耳に残るメロディ、これが一体となって誰にも真似の出来ない独自の世界を築いている。唯我独尊。向かうところ敵なし。彼らの敵は、「セルフ・パロディ」に陥ること、すなわち自分たち自身だけだろう。
posted by しんかい at 00:43| Comment(0) | TrackBack(1) | Rock: オルタナティヴ・メタル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年12月03日

Born To Run - 30th Anniversary Edition / Bruce Springsteen (#18, 05/12/3)

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Sales: 53,000
ついに登場。「明日なき暴走」30周年記念エディション。この手の「新装版」とか「何周年記念特別版」は、だいたいお約束としてデモとか未発表とかのレアトラックを集めたボーナスディスクがついてくる。しかし、意地悪な言い方をすれば、デモだの未発表曲だのというのはしょせん「ボツ」であり、当時アーティストが「世間に対し発表するには値しない」と判断したものだ(すべてがそうとは限らないにしても)。そのアーティストの音源ならボツでも何でもいいから片っ端から聴きたい!っていうのはよほどのファンだけであって、一般人にとっては、冷静に考えればそれほど惹かれるアイテムではない。
しかし、これはまったく格が違う。まず、余計なボーナストラックなどいっさい入っていない。オリジナルアルバムの8曲をリマスターしただけだ。じゃあなにが特別なのかと言うと、DVDが2枚もついてくる。1枚は、このアルバムが発表された1975年当時のライヴ映像。しかも「オマケ」的なケチくさいものではなく130分の堂々たる作品。BBCが撮影したというので映像もしっかりしている。「発掘映像」にありがちな「ま、貴重な映像なんだからこの程度のクオリティでも我慢してよ」というエクスキューズはここにはいらない。スプリングスティーンのファンなら、まずこれだけで買いだろう。更にもう1枚のDVDはアルバム製作のドキュメンタリーで、これはややマニア度が高くなるが、貴重映像満載で、もちろんこれとて単独のDVDとして商品化できるぐらいの価値はある。
私は高校1年生のときにバイトして当時まだそれほど普及していなかったCDプレイヤーを買い、最初に購入したCDソフトが、当時3500円だった「明日なき暴走」だった。しかしこのアルバムは録音があまりよくないのか、妙にこもった音で、「え、CDってこんなん?」とえらいショックを受けた覚えがある。今回デジタルリマスターされた音を聴くと、まあ確かに以前よりはクリアな音になっているが、やっぱり75年当時の他の作品と比較してもあまり音は良くない気はする。その点は残念。今回飛躍的に音が良くなって感動しちゃうことを期待してたんだけどなー。
と言いたいことは尽きないが、75年のライヴ映像だけが目当てでも充分に買う価値ありだと結論づけておこう。筋肉もりもりで拳を振り上げて歌うスプリングスティーンの映像しか見たことがない人には、暗闇の中にうずくまって独り言のように詩をつぶやくスプリングスティーンの姿は新鮮だろう。
なお、本品の日本盤価格は6720円だそうだが、よーっぽど英語が苦手で、字幕代に何千円でも払うという人以外、絶対に買ってはいけない。amazon.co.jpでアメリカ盤を買えば4000円未満(送料無料)で買えるし、そもそもアメリカのamazon.comでは25.98ドルで売られているのだ。DVDはリージョンフリーなので普通に再生可能。安心して輸入盤を買おう。まったく消費者をナメるのもいい加減にして欲しいね。せっかくのすばらしい作品なのに気分が悪くなるよ。
posted by しんかい at 23:55| Comment(2) | TrackBack(1) | Rock: 親父ロック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

Bullet In A Bible / Green Day (#8, 05/12/3)

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第二のピークを迎えたグリーン・デイの勢いを封じ込めたライヴ盤。前半は「American Idiot」中心で、後半はベストヒット集。
観客の声の入り方が絶妙で、盛り上がり方が、一体感がよーく伝わってくる。会場の全員が一緒に歌っているであろう「Basket Case」や「Good Riddance」なんか感動的ですらある。全般に曲の原型をほとんど壊すことないそのままの演奏で、ボーカルも非常に安定しているので、ライヴならではのハプニング的な要素はあまり味わえないが、彼らの楽曲の良さ、楽しさを再確認するには、ただのベスト盤よりもむしろこのアルバムのほうがいいかもしれない。
と、音だけでも充分に楽しめるのだが、初回はDVD付ということで、かなりお得感が高い。とくに日本盤は2980円と、DVD付きにしてはけっこう頑張っている。2時間ものボリュームたっぷりの映像はいいが、ライヴの映像がやけに凝ってたり、間にインタビューが入ったり、編集のせいで「勢い」が殺がれてしまっている、という意見が多い模様(私は未見)。
posted by しんかい at 13:45| Comment(1) | TrackBack(0) | Rock: オルタナティヴ・ロック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

Comin' To Your City / Big & Rich (#7, 05/12/3)

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Sales: 157,000
ビッグ&リッチってなんちゅう名前だ。最初はラッパーかと思ったよ。ところがこれがジョン・リッチとビッグ・ケニーのカントリー・デュオだったりする。リッチさんは元ローンスターなのでデビューといってもまったくの新人ではなかったわけだが、デビュー作の前作でブレイク、これが2作目。実が前作がぐんぐんチャートを上昇したのは、彼らが発掘した新人女性カントリーシンガー、グレッチェン・ウィルソンが大ブレイクしたのにつられる形ではあったのだが。
だいたいアップの曲ではギターがトワンギーに鳴り、ミドル〜スロー系の曲では素朴で美しいハーモニー・ボーカルを聴かせる。後者では70年代のシンガーソングライター物みたいな「Never Mind Me」なんかすごくいい曲だ。しかし彼らの持ち味はやっぱり豪快な前者。いわゆるカントリーよりは、サザン・ロックだと言ったほうがイメージは近いかもしれない。コミカルな曲が間に登場したり、飽きることなくかなりいい感じで終盤まで聴き進むのだが... 「8th Of November」でいきなりクリス・クリストファーソンが登場、なにやらナレーションを始める。そして...ああ軍歌だ。そして極めつけはアルバムのラスト「Our America」。I have a dreamだの平等だの自由だのとくすぐったい前口上に導かれ、高らかに歌われるのは... アメリカ国歌。あちゃー。「けっこういいアルバムじゃん」と聴き進めて、わき始めていた親近感が、さーっと引いていく。あーやっぱりこいつらは俺とは違う人種だー。
ただ、もういちど書くが「Never Mind Me」はほんといい曲だ。
posted by しんかい at 13:45| Comment(0) | TrackBack(0) | Country: カントリー・ロック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

Some Hearts / Carrie Underwood (#2, 05/12/3)

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Sales: 315,000
「アメリカン・アイドル」第4代優勝者のキャリー・アンダーウッドはカントリーの人。声やコブシのまわし方がちっとアギレラに似てる気がするが、曲調はだいぶ違う。
アメ・アイと言えば初代優勝者のケリー・クラークソンが大活躍中だが、音楽だけの力で彼女ほどのポピュラリティを得るのは難しいだろう。全米No.1ヒットとなったデビュー曲「Inside Your Heaven」なんかは普通のバラードだったが、このアルバムでははっきりとカントリー色を出してきた。これが単なるマーケティング戦略ではなく、彼女自身が志向した結果なのだとしたら潔いが、日本では売れないなあ。

Confessions On A Dance Floor / Madonna (#1, 05/12/3)

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Sales: 350,000
マドンナにとって6枚めのNo.1アルバム。もっと多いような気がするんだが、実は彼女には「最高位2位」が4枚もあったりするので。
今回はダンスミュージックばかりに的をしぼってることと、先行シングル「Hung Up」がABBAそのまんまだというのが話題。ABBAはそもそもサンプリングが嫌いなのでほとんど許可を出さないが、マドンナ直々のお願いじゃしょうがない、と珍しく許可したらしい。ま、ほとんどサンプリング部分しか耳に残らない話題作りのためだけの曲ではあるのだが、それでアルバムがこれだけ売れたんだから作戦としては大成功。
マドンナは「Vogue」にしても「Ray Of Light」にしても、最先端風の雰囲気を漂わせつつ、大衆向けにベタに仕上げるのが得意な人なので、今回もそういう曲満載。決して、クラブ系ばっかりだから普通にポップスを聴いてるリスナーにはとっつきにくい作品、というわけではなく、むしろ雰囲気的には70年代ディスコや、80年代のテクノポップを思わせたりもする。「Future Lovers」なんてミュンヘン時代のドナ・サマーだし。
しかし、あの年齢であの体形とダンスが凄いのはわかるんだが、どうしても気持ち悪さを感じてしまうのはなんでだろう。逆に、不自然だから気持ち悪いのだろうか。一時期のシェールみたいなもんか?
posted by しんかい at 13:44| Comment(9) | TrackBack(0) | Dance & Club: ダンス・ポップ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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