2006年03月18日

In My Own Words / Ne-Yo (#1, 06/3/18)

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Sales: 301,000
なんだか若者の音楽の区別がつかないオヤジみたいな発言でいやだが、本当に近頃の若者へのアッシャーの影響力の大きさには恐れ入る。こないだも「アッシャーみたい」を連呼しながらアルバムを紹介したが、このニーヨも、歌い回しも声質も似ている。自分で曲を書けるというのは大きいが、クリスティーナ・ミリアンやアシャンティの例を見ても、「もともと裏方でソングライターとして活躍していた才能に溢れる逸材」が必ずしもシンガーとしても長く成功するとは限らない。
と一通り否定的なことを書いたあとで。70年代ソウルのようなブルージーで重厚なイントロの「Get Down Like That」には素直にシビレた。軽い声質なので「Lovely Day」のイントロっぽい「It Just Ain't Right」みたいに軽めのアッパーな曲だとすごく映える。「Sexy Love」のように、普通ならもっとイヤらしいクワイエット・ストームな音作りにしそうな曲も、クーリーダンス風でズンズンと腹に響く重低音ビートに仕上げてるあたり、普通にレゲエを聴いて育った新世代という感じはする。平均点以上の曲ばかりが並んでいる、高品質な作品ではあるが、華には欠けるか。
posted by しんかい at 18:30| Comment(0) | TrackBack(3) | R&B: メインストリームR&B | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年03月04日

Ghetto Classics / Jaheim (#1, 06/3/4)

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Sales: 152,000
ゴージャスなアルバムだ。ジャヒームの3作目。デビュー当初からテディ・ペンダーグラスと比較されつつも、ちょっと小物感は否めなかったが、ずいぶんと貫禄がついてきた。今ならテディペンと比べても遜色はあるまい(ルックスでは勝負になってないのがイタいが)。
なぜかやけに「Ghetto」とタイトルにつけるのにこだわっているが(1st「Ghetto Love」、2nd「Still Ghetto」)、ラッパーたちが使うゲットーという言葉の響きとは随分違う印象だ。きっと、意識的にやっているのだろう。ゲットーってのは、ラッパーたちが喧伝してるような荒んだ場所ばかりじゃなくて、普通に生活する普通の人たちが大半(で、自分もそういう人間のひとり)なんだということを。だから「ゲットー」というタイトルはあまり気にしないほうがいい。ゴージャスな1曲目あたりを実際に試聴してみるのがいちばん。
テディペンをさらに少し甲高くしたようなボーカルは決して技巧的ではなく、むしろ音全体の雰囲気で聴かせるタイプの人だ。その、音が凄い。完全に自分の世界を確立している。ストリングスや女性コーラスをゴージャスに配した、豊かな音。そこに、ジャヒームのいわば「庶民的」なボーカルが乗るのがいい。豪華な音が厭味でなくなり、かといってアンバランスなわけでもない。この絶妙なバランスは見事だ。
割と似たタイプの曲が多く、何曲もシングルヒットを出すというよりはアルバム全体の雰囲気を楽しむべき作品。

ところで投稿日時点ではこのリンク先のamazon.co.jpでは、このアルバム(アメリカ盤)に2600円などという値段がついている。かつては大手輸入盤ショップを叩く材料としてamazonの価格を参考にさせてもらっていたのに、大手輸入盤ショップより1000円高いとは、実に嘆かわしい。価格改定されることを切望する。じゃないと本当にみんなアメリカから直に買っちゃうぜ(amazon.com価格は12.98ドル)。
posted by しんかい at 10:55| Comment(0) | TrackBack(1) | R&B: メインストリームR&B | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月07日

Unpredictable / Jamie Foxx (#2, 06/1/7)

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Sales: 598,000
トゥイスタの「Slow Jamz」にフィーチャーされた時は、「あれ?こいつ、歌えるんだ」程度にしか思っていなかったが、その後映画「Ray」で大ブレイク。最近もカニエ・ウエストにフィーチャーされて大ヒット曲を出したばかりだった。なにで、本業が俳優さんの余興がこれだけの爆発的ヒットになってしまったのは、わからないでもない。
実際のところ、彼はしっかり歌える。「味」はないが、今どきのリスナーはそんなの求めてもいないだろう。参加ゲストにはラッパーが多いが、アルバム全体に貫かれるのはクラシックと言ってもいいぐらいの正統派R&B。そういう意味ではぜんぜんunpredictableではなく、すごーくpredictableな内容だ。俳優というのは、台本で指定された通りの演技をするのが仕事だ。音楽でも、クラシックでは「楽譜通りに歌う」ことを求められたりするが、我々に馴染み深いポピュラー音楽では、むしろ「譜面通り」よりもいかに一歩深い表現をするかがアーティストとしての懐の深さだったりする。譜面も、ルールも、「慣習」も気にせずにやりたい放題やり散らかすR.ケリーみたいなのが本当にunpredictableな存在であり、音楽の世界では魅力的な存在である。そういう意味でやっぱり本作でジェイミーは「俳優さんの余興」の域を脱しきれていない。
それでもメアリーJブライジとのデュエット曲なんかは、むしろ「ソウル」という表現を使いたくなる。スローな曲のほうが得意なようで、マイク・シティ作の「Get This Money」とか「Storm」、ブラマクみたいなピュアな雰囲気の自作曲「Heaven」あたりがいい感じ。
ちなみにこれは彼の歌手デビューアルバムではなく、94年に「Peep This」というアルバムを出している。
posted by しんかい at 09:51| Comment(16) | TrackBack(1) | R&B: メインストリームR&B | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

The Breakthrough / Mary J. Blige (#1, 06/1/7)

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Sales: 727,000
はー今年の年末商戦の目玉がコレですかー。とずいぶん拍子抜けしたもんだが。CDが売れない売れないって、売るほうにやる気がないだけだという私の昔からの持論がまたしても実証されたわけで。
メアリーJの新作は、そりゃまあある程度は放っておいても売れるだろう。しかし、「旬」でも何でもない人が70万枚のセールスってのはかつてなかったことだ。すごーく昇り調子にあるロックバンドとかアイドルとかがそのピーク付近でしか記録できない数字。CDが売れまくっていた時期の2000年〜2001年頃でさえ、66万以上の数字をあげたR&B系アーティストはいない(デスチャがベスト成績)。ましてやCDの売り上げが全体に落ちている2005年だけで見れば、50セント、カニエ、コールドプレイに次ぐ年間4位の好成績。ザ・ゲームやシステム・オブ・ア・ダウンやデヴマやエミネムやマドンナよりも売れているのだ。これは、ふだんはあんまりCDとか買わない人たちがホリデーシーズンの買い物でCDを買っていくこの時期特有の現象は今年も起きているものの、買うべきものがないので、数少ないアイテムにその人気が集中して、「売れるべき数」以上に売れてしまった、というのがメアリーJとジェイミー・フォックスだろう。
と、ようやく中身の話題に入るが、まあ確かにここ数作よりはいい出来だ。楽曲のクオリティにも歌声にもまったく勢いの衰えはないし、彼女の得意な、陰気で辛気くさい曲は比較的少ない(結婚後まだ日が浅いから?)。かつては"Queen of Hip-Hop Soul"などと呼ばれた彼女のこと、ジェイZを迎えたり、ザ・ゲームが「Hate It Or Love It」で使ったトラックをまんま借用したり(彼女のキャリアを駆け足で追いかけるようで楽しい曲)、ヒップホップ色もちゃんとキープされている。でもそんなにすごくいいアルバムと言うほどのものでもないんだけどな。
あと、U2を迎えての「One」のカバー(ライヴ音源)なんてのが登場したのはガックリした。レア音源ではあるんだけど、王道R&Bアルバムの中では完全に浮いてて、このアルバムにわざわざ入れる意味がわからない。というかラスト付近をこういうので締められると不快でさえある。(国によってボーナストラックが異なるのだが、アメリカ版ではこれがラスト?)
posted by しんかい at 09:51| Comment(13) | TrackBack(0) | R&B: メインストリームR&B | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年12月17日

Chris Brown / Chris Brown (#2, 05/12/17)

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少年声のR&B。歌は巧いけど、こりゃアッシャーだなあ。売れ線を狙えば狙うほど、この分野のトップスターであるアッシャーに似てしまうのはしょうがないんだけど、「アッシャーっぽいんだけどアッシャーほどではない」というのはやはり寂しい。デビュー曲にして全米No.1の「Run It!」も「Yeah」の焼き直しぐらいにしか思えないし。
と、プロダクションにはもうひと頑張りして欲しかったところだが、16歳のクリス君は頑張っていて、この安定した歌の巧さはなかなか見事。
うーん。洗濯しながら、これ以上このアルバムをどう評するべきかずっと考えていたのだが、何も思いつかない。そのぐらい普通のアルバムだ。歌の巧い少年が歌う今ドキのR&B。別にそれ以上深いものを求めるつもりはない、というぐらいの軽い気持ちで聴けば、まあOKか。
posted by しんかい at 00:24| Comment(4) | TrackBack(1) | R&B: メインストリームR&B | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月12日

#1's / Destiny's Child (#1, 05/11/12)

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Sales: 113,000
日本ではかなり盛り上がった感のあるアルバムだが、アメリカではそれほどでもなく、1位とは言え10万そこそこの非常に低調なセールスだった。まあベスト盤で1位を取れるだけでも充分ではあるのだが。
それにしても納得いかないのはこのタイトル。いったい何をどう解釈すれば#1'sなのか調べちゃったじゃんか。少なくともブックレット内にその説明はない。もちろん、収録曲の大半が全米(またはその他の国で)1位かというと、そんなことはない。せめてR&Bチャートでは、と思っても、そんなことはない。要するにこれは「1位の曲を集めました」というわけではなく、「いいじゃない、そんな細かいこと言わなくても。私たちにとってはどれも大切な曲で、気分はどれも#1なの」とても言いたいのだろう。やはり「#1's」などと大それたタイトルをしっかり中身を伴いながら名乗れるアーティストはそうそういるものではない(過去の事例はマライア、ビートルズ、エルヴィス、ビージーズ、以上?)。
さらにポイントが低いのが、ビヨンセの新曲。もう解散が決まった後でのリリースなので無理に新曲なんか入れなくていいのに... と言うか、解散「後」のソロ活動のためのプロモーションを虎視眈々と、こういう場を利用するノウルズ家・父(のアイデアだろ、どうせ)の根性が気に入らない。
ビデオクリップ集のDVDがつく(バージョンもある)のはいいが、7曲とえらい中途半端なボリュームで何がしたいのか今いちわからないし、最後の最後まで「制作側」に愚弄されてしまった不幸なグループだった。キャッチーないい曲いっぱいあるし、個性もしっかりあるし、いいグループだったんだけどねえ。
posted by しんかい at 00:56| Comment(0) | TrackBack(0) | R&B: メインストリームR&B | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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