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叙情派ロック。一言で言えば、ひとりコールドプレイだろう。だからアメリカでもすんなり受け入れられた。クセのあるハスキーボイスは好き嫌いがあるだろうが、切ない味があり、ミディアムテンポ以下の曲が似合う。初登場から16週目にして初のトップ10入りを果たした。
「You're Beautiful」は入れ替わりの激しいことで知られるUKチャートで6週1位というロングセラーになった。まったく無名の新人だった彼のアルバムもじわじわとチャートを上昇し、ついにはシングル・アルバム両チャートを制覇。イギリスは特にこういう王道まっすぐの曲は叩かれやすいのでお約束通り必要以上に「うんざり」がられているが、まあ客観的にみてもいい曲なので、すんなりアメリカに飛び火した。コールドプレイでさえ、デビュー作ですぐにアメリカ上陸は果たせなかったことを考えると、ほんの数年なのに隔世の感がある。もちろん、こういう叙情ロックが受け入れられやすい土壌が築かれていた、という要因はあるだろうけど、世界のどこの国のヒットだろうとワンクリックで手に入ってしまうという、音源入手経路のラジオからネットへの移行によるものだろう。そりゃあまだまだラジオで音楽を聴く人が大多数を占めているとは言え、若者や「音楽が好き」と自称するような人なら音源入手経路の中でオンラインの比重はかなり高まっているだろう。アメリカには、あれだけ充実したiTunes Music Storeがあって、1曲100円で入手できるという、日本にはない圧倒的に充実した環境があるのだから。(クドいけど、海辺でひとりで歌うビデオクリップも、コールドプレイの「Yellow」を想わせるんだよね。ラストにひょいっと高飛び込みをやっちゃう度胸はやっぱり軍人だなあ、なんて余計なことを考えたり)
元軍人でNATO軍に参加してコソヴォに派兵されてた、なんていう変わった経歴もあって日本のマスコミでも面白半分にもてはやされてはいるが(「元軍人」でググると、上位10件中4件が彼に関するもの)、アルバムも「You're Beautiful」と似たような曲ばっかりで、厳しく言えば一発屋予備軍ではある。「Cry」あたりは割といい出来だけど。


